私たちにとって真の成功とは何か？成功を掴むための心理学と考え方とそのための一歩。

　まずは人それぞれ違うであろう成功を描かなければなりません。よく成功は目標と言い換えることができますが、私の考えは違います。成功には確かに目標も必要なのですが、もう一つ、目標より重要なのは過程です。成功とはプロセスの中に存在するのです。プロセスは行き道のことで、 目的地がなければ、行き道から散歩道になってしまいます。多くの人は目標を立てたらそれを具体的に頭の中に描けばよい、という風に思っていますが、目標はまだ頭の中にある目的地でしかありません。地図ではないのです。
　例えば、フランスに行きたいな、と思い、フランスの特産品や美味しそうなフランス料理を描いていても、フランスには行けませんよね。行き道を示す地図が欲しいところです。これをもって、目標へたどり着く具体的な行き道ができるのです。この過程を楽しむことこそが、実は成功であり、目標到達自体は成功ではないのです。
　そのように考えると、今成功してますか、という質問に対して大多数の人は散歩道にいることになりますので、Noという答えが返ってきます。目標がある数パーセントの人も目標達成することが成功である、と思っているので、Noと返ってきます。

　実は成功することの方が死ぬことの恐怖心より大きいというデータもあるのです。死ねば終わりですが、成功は成功してからも生きていることが多いからです。その為、私たちが成功という目標を考える時は人生のラストを描くことから始めていく方のが正しい道程が描けます。
　成功したいなら、どのような方に囲まれて自分の遺体を見るか、ということから考えて私たち自身の成功を掴むための行き道をしっかりと歩んでいきましょう。

　成功の定義が過程、という目標に向かっての行き道にある、ということが分かっていれば、成功は「現在」にはなく、「未来」にあるということになります。なので、成功したいですか、という質問に対しては、してしまったら、もう人生を終える時なので、イベントとしての成功は欲しいとは思いますが、人生の成功はもっと先に設定しておかないと未来にしかないので、「今」成功しているとはあり得ないんです。せいぜい今成功に向かっている、ですね。

　将来を見据えることができれば、十中八九成功へのイメージは出来ているはずなので、ここでは成功は未来にしかない、とだけ覚えておきましょう。しかし、幸せは今とか過去にあります。この差があるため幸せ=成功という構図の人は、少し勘違いをしてしまうのです。全体像としては過去・現在は幸せに溢れており、未来には成功しかない、という感じです。ちなみに幸せも人によって形を変えるものなのですが、心理学者のショーン・エイカーさんは「成功が幸福をもたらすのではなく、幸福によって成功がもたらされる。」という風にTEDの講演でも語っていました。これは時間軸的にも私と一緒の考えかな、と思います。今の自分を幸福だと感じている人は、安定した精神状態で仕事や勉強やスポーツなどでより高いパフォーマンスを発揮することができ、結果的に成功を収める確率が高くなる、ということですが、幸福を感じることができる心を育むことが成功への行き道へのガソリンということにもつながっていくでしょう。極論を言えば、毎日を幸せに生きていけば、成功した生き方が出来た、として息を引き取ることができるようになるため、毎日の過ごし方が、人生の最大の課題だ、ということもできるでしょう。

　以上のことを踏まえてまとめていくと、成功に必要なことは、人生をかけて為すべき壮大な目標と今を常に幸せだと感じることができるマインドということになります。個人的な体験や過去の私の考えからいくと、子どもが産まれた時にこの子を幸せにしよう、とは何となく思えず、私がいなくても幸せを感じられる子どもに育てたいな、と漠然と思ってました。たぶん直感的に幸せって与えられるものではなくて、本人が感じるものと認識してたんだと思います。同じような理由で子どものためっていう言葉も違和感があるんです。何が本人のためになるかって結局は本人しか分からないんです。それを自身の経験や学びから相手に押し付けるようなカタチになるところに幸せは生まれにくいと思います。もちろん、それが幸せになることもありますが、幸せが続くか、というとそうでもないかな、と。親子の関係で考えると順当にいくと親の方が先に死ぬから、親が幸せを与えることが仮に出来たとしても、残された子供は親の死後以降ずっと幸せを感じることはできなくなるし、仮に他の人が与えてくれたとしても、ずっとその人に依存していくことになるので、縛られる形になります。もちろん縛られた幸せもあっていいと思いますが、私の場合はそのような幸せは嫌だったので、マインドを鍛えるというか、見つめ直すことにしました。

　成功に必要なことは目標とマインドということはお伝えしましたが、この２つをもって為すべきことがあります。それが、過程の行き道を進んでいくという行動です。実際の歩みです。よく人生は登山や航海のように例えられますが、良い景色を見ようとするならば、実際に自らの足や手を使って登ったり、進む必要があります。そのための身体なのです。目的とマインドと最後の要素、行動。この３つが揃って私たちは初めて成功に向けて幸せを感じながら生きることができていくのです。もちろん、最初の方は毎日が幸せとは限りません。幸せを感じる前に不幸を感じることもあるかもしれません。不幸を感じるときは、自分は幸せの形を知っているという裏返しなので、不幸を感じるのです。
　これは、人は何かを感じる時は対極にある感情が何かを知っていないと言語で表現できないということにつながります。安心を感じるのは心配という状態を知っているからですし、楽しいという感情を表現できるのは退屈や怒りという感情を知っているからです。つまり、心配という状態でなければ安心しているということですし、怒りや退屈を感じていない状態なら楽しいと言い換えることも出来ます。
　ずっと雨が降っている地域の人たちはそもそも「晴れ」という概念すら知りません。私たちの気持ちも同じようなもので、不幸だな、と感じることができれば、幸せが何かに気付きかけているという状態になります。風邪の時に健康のありがたさが分かりますよね。それと一緒です。

　私たちにとっての真の成功とは、という話に戻りますと、それは人それぞれの形であってよく、正解不正解はありません。ただ、私たちにとって絶対的に訪れるのが自らの寿命が尽きる瞬間です。寿命は選ぶことはできませんが、生き様は決めることができます。

　どのように生きるか、この毎日の積み重ねを何となく積み重ねていると、理想の方向とは違う方向に積み重なっているケースがあり、それが成功ではない状態といえます。真の成功を目指すのであれば、どのような命の使い方をして、どのような亡くなり方をするか私たち自身で決め、その途中にある、人生のイベント、例えば、結婚、お金を年で1,000万円稼ぐ、起業する、大きな会社を作るといったものを自分で決めて、その過程を楽しみながら、日々幸せを感じていく、これが真の成功というものになると思います。
　大切なのは成功は一過性のものではなく、動きそのものである、ということです。そして、その成功は未来にしかありません。未来に辿り着くためには一生懸命生きるしかありませんので、もし、今、悩んでいるのであれば、その悩みも過程です。そのため、悩みとは「その行き道は自分の成功につながっているか」というところを考えてみるサインかもしれません。サインを受け取りながら、きちんと自分の成功を見つめて生きていきましょう！







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