習慣形成においていろいろお伝えしていますが、やはり王道は、その習慣で過ごしている自分が手に入れている理想の生活を夢見ることだと思います。夢を見るという表現は実現可能性が低いような感じがして、好きではない方もいるかもしれませんが、現時点での最終理想地点を描くと言い変えても良いです。
人は現状では満たされていない、手に入れたいモノ「夢」を見るから現状からステップアップできるものなのです。
危うい瞬間
例えば、私は以前ベースをしていましたが、(今も時々弾いています)ベースを買った頃は練習をするのが、あまり好きではありませんでした。特段派手な楽器ではありませんでしたし、当時はベースソロがある楽曲もさほど多くなかったので、目立たないな、と思っていたのです。
特段目立ちたがり、という訳ではありませんが、全くバンドの背景に埋もれてしまうのも寂しい感じがしたのです。なので、結局練習しても、、、そんなに上手くならないし。目立たないし。と考えて、習慣になるのが危うい場面もありました。
そんな時に出会ったのがX-JapanのTaijiさんやMr.bigのビリーシーンさんという超有名ベーシスト。そもそも私がベースを弾こうと思ったのは仲間内でバンドをしたいという人がいて、じゃんけんで負けたからベースをするということになったのです。だから、モデルケースがある訳ではなく、基礎練習帳を買って愚直に繰り返し「ドレミファソラシド」を弾くところから始め、友人が好きで、とりあえず弾けそうなアコースティックデュオのベースのコピーをしていました。今思うと、それは、当然にして自分にとってはつまらなかっただろうなと(笑)。
そして、練習がつまらず、辞めようかと思った時に感じたのが、仲間に対して悪いな、という気持ちであったり、もう少しやろうか、という昨日話したプロスペクト理論のような損失回避の思考でした。ここでもやはり、習慣形成にはやはり環境は不可欠だと改めて書いておきます。
夢が見つかった瞬間加速する
さて、今日はそこではなく、習慣になるのが危ういと思ったときに出会った、理想のモデルの方々のお話しです。この方々と出会ったことで、「私もいつか、この大舞台で演奏するんだ」と夢見るようになりました。この今の練習時間1分1秒がそこにつながっていく、と思うと途端にワクワクしてきたのです。
おそらく、優れたベーシストも最初から指が滑らかに動き、リズムが取れていたかというとそうではないと思います。まれに見る天才タイプもいますが、私はそのタイプではどうやらなさそうだったので、愚直に基礎を忠実にやっていました。メトロノームやピッキング(弦を弾く)の角度をきちんと見て、真似て・・・。そのようなことを日に日にやるのは全て、あの舞台に立つため!と思うことでやり切ることが出来てきたのです。
習慣中に仮想理想空間体験
しかし、基礎練習だけでは飽きてしまいますので、2週間に1度基礎練習を無視した「なりきりの日」を作り、有名バンドのライブ映像を流し、ライブ映像に合わせて、その曲のリストを適当に弾くという日も設定しました。
そうすると、理想と現実の差も理解はできますけど、何より楽しい!自分が楽しいと思えることは本当に大事です。習慣においては義務みたいなものではなく、それを続けると、より楽しい生活が手に入ると脳にも思わせる必要があります。
そして、脳に思わせるにもコツがあって、それが、まるで今手に入っているかのようにすると、脳が勘違いして「あー理想は叶ったね。良かったね」と言って、習慣を続ける意味合いがなくなるというもの。現実にはまだ手に入っていないけど、習慣を続けていくと、手に入ると思うことが大切です。
そのための目標リストであったり、行動リストであったりします。一歩一歩人生は進んでいきますが、たまにはまだ自分が到達していない世界を考えて、そこに行く日を作るのもいいでしょう。
ダイエットなら細めのジーンズを履いて街中を闊歩している自分をイメージして、部屋を歩く。学習なら人の前で講演している自分を想像してみるとか、ビジネスの成功をしている自分を想像し、話題を自社ビルでさぁ~、みたいに1人で語ってみるとかにしてみるとか。
なんでも、いいのですが、習慣は決して私たちを縛るものではなく、理想の世界への階段だと捉えていきましょう。
P.S.ベースでは大舞台とまではいきませんでしたが、ライブハウスでのたくさんの活動をさせていただき、本当に楽しかったです!
舞台の大小のどちらが良いではなく、私たちにとってのベストを叶える近道、それが習慣作りの楽しさです。