人間性心理学を学び始めた頃に、ゲシュタルト療法のフレデリック・パールズさんという方の本を読みました。
そのなかの引用ではありますが、、、
ユニークで多種多様な人間行動をギリシャ神話に出てくる「プロクルステスの寝台」の理論に当て嵌めようとして、多くの精神病理学の学派はお得意の観点からは説明のつかない人間行動の様相を無視するか、あるいは非難している。
(フレデリック・パールズ「ゲシュタルト療法」より)
というものがありました。
ちなみにプロクルステスとは捕らえた旅人を鉄の寝台に寝かせ、寝台より長ければ足を切り、短ければ身体を引き延ばしたとされる人のお話です。
尺度の話?
なにが言いたいか、というと物事を理論に当て嵌める行動取ってないですか?ということです。
人間は自分の考えがどうしても正しいと思ってしまうものです。
これがこの話によるところの鉄の寝台ですね。鉄の寝台は自分の考えに置き換えることができます。そこに人が意見を言うと、、、この意見というのが捕らえられた旅人と置き換えてみます。
その鉄の寝台(自分の尺度)に合っていれば、受け入れますし、合っていなければ、相手の意見の一部を削除したり、意見の一部を改ざんして歪曲したまま、受け入れたりします。
現実はなんだ!
これが本当に現実でしょうか。自分の尺度以上のものは切り捨てたり、拡大解釈をしたりして私たちは生きています。
これが人生があまり変わらない、という点にもつながります。
受け入れられるものしか受け入れられないのであれば、変わりませんよね、というのも人間性心理学では教えてくれます。
ちなみに、この考え方を応用すると、組織や人間行動のチェックに役立ちます。現実だけを見ますからね。
基準はあくまで今、私たちが、なんとなく基準にしているだけです。
理論が正しいと証明するのではなく、今起きている現象の理論はなんだろう、と考えることが本来の思考力です。
コロナのご時世で「○○が正しい」と思うと、それを立証しようとして、事実を歪曲してしまう恐れもありますので、大事なのは現実を正しく見る力です、ということを考えさせられる一文の紹介をさせていただきました!
早く収束しますように。