不吉な予感
何かをやる前から不吉なことが起きそうな予感があると実際にあんまりうまくいかないということがあります。
以前読んだ小説で「空の境界」というものがあるのですが、その中でも「悪い予感は悪い現実を引き寄せるものだ」(うろ覚え)というセリフがありました。
私もそう思います。
せっかくの努力をし続けていても、最後は「悪い予感」が現実になる可能性があるのであれば、実はイメージ力を鍛えた方がいいのかもしれません。
哲学とイメージ
アリストテレスという哲学者の名前を聞いたことがある人も多いと思いますが、この方の思想も
「人間の本質を理解していくうちに、想像力が生理的な機能を覚醒させていく源であると考えるに至った」
という風にされています。
賛否あるかとも思いますが、イメージは大切です。
今年は残念ながらオリンピックはありませんでしたが、スポーツの分野でも想像することが大切と言うのは言われています。試合に勝つイメージ、自分史上最高の演技ができるというイメージ、兎にも角にもイメージは大切です。
そして、脳科学の分野では脳は現実と想像を区別することができないとされています。
これがプラスに働くのかマイナスに働くのかを考えてみたいと思います。
想像は現実を変えるか?
イメージが現実を引き寄せるというだけであれば、話は単純。
自分にとってよいイメージをし続けてさえいればいいのです。
何もしなくても、お金が入ってくるイメージ、自分のことを本当に好きな人が現れるイメージ、そして、理想を明確にイメージする。
それだけで私たちの人生は彩りを獲得し、望んだ通りの人生を生きられることになります。
しかし、現実に上手くいくでしょうか。
こんなことを考えるから、上手くいかないのだとも捉えることが出来ます。
少しでも疑いの心がある状態でのイメージであるから、イメージが現実に現れないのだ、と。
そのように言われると反論は出来ませんが、実際は100%イメージすることは難しいでしょう。
現実を創るのは私たちの行動であり、イメージを創るのは私たちの言葉や思考です。
ともすれば、言葉や思考だけでは現実を変えることができません。
そうするとこのような図が成り立ちます。
良いイメージが良い結果を引き寄せるのか、という観点からみてみましょう。
良いイメージが出来ると次に来るのは行動をするか、しないか、というものです。
良いイメージを出来ると脳は既にそのイメージが現実のものと捉えると説明しました。
そうすると、私たちが欲している現実は既に手に入っていることになりますので、行動をする理由がなくなります。
現実に作用するのは行動だけなので、良いイメージが結果的に何も行動しないという選択に結びつき、悪い現実を引き寄せてしまいます。
このようにイメージにはいろいろな捉え方がありますが、現実に作用するのは行動だけです。
目の前の現実と仮想現実
私たちの目に見えるというのはあくまでも行動だけですので、いくら相手の方が頭の中で私たちのことを褒めていたとしても、態度がそっけなかったり、冷たく感じてしまうと、逆の現実を受け入れることになります。
そこで、イメージが役に立つのはどのような時か、を考えていきます。
イメージが役に立つのは、現時点で嫌な想いをしている時です。
アリストテレスの話に戻りますが、彼は「想像力が生理的な機能を覚醒させていく源」と考えていました。
生理的な機能の覚醒なので、現時点で身体に不具合があるときに、プラスのイメージによってその機能を回復させることができるのではないか、ということです。
これであれば、良いイメージは身体や精神にいい影響を及ぼしていきます。
このときに注意すべきは、身体や精神に良い状態だからと言って実際の行動を悪くなるようにしないことです。
つまり、暴飲暴食です。
イメージは私たちの生活に様々な影響を及ぼします。
問題はその使い方です。
私たちの身体の中にはたくさんのエネルギーが溢れています。その一つ一つを科学的に解明してもいいのですが、漠然とイメージとしてみてください。
深い呼吸を通し、血液を通し、思考を通し、プラスのものが巡っている状態を・・・。
考えるだけでも、ちょっとエネルギーが高まります。
その高まった状態で、行動をして、現実に働きかけることが未来を創るということになります。
イメージだけでは終わらせず、イメージをしないこともせず、より良い現実を手に入れるための足掛かりとして、想像していましょう。
私たちに求められている役割は何でしょうか?
何をやったら人生を満足して死ぬことが出来るでしょうか?