イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートによるパレートの法則。ご存知でしょうか。一般的には80:20の法則として知られています。物事の全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部(2割)の要素が生み出しているというもの。
例えば、会社の利益を生み出している人たちは100人規模の会社なら20人しかいない、ということ。メンタル的なものであっても、私たちが幸せを感じることができる人間関係は私たちの人間関係の全ての内、2割ということ。100もの人(友人や知人)がいても、実際私たちが幸せだと感じるのは20人と一緒の時だけというもの。
何となく分かりますか?カーペットでも全体の2割がいつも摩耗したり、靴を何足も持っている人は2割の靴だけすり減ったり、服を沢山持っている人も全体の2割だけ着回すとかですね。習慣のサイン的な話になるのですが、自己啓発系の習慣を身に付けようとしている人は以下のことを知っておいた方が良いです。
自己啓発習慣のサイン
その前に自己啓発系の習慣とは、「Win-Win」を目指すとか、物事の捉え方をプラスになるように考え直すようにしている、人の批判はしないといった類のものです。
これらの習慣は明確な数値がなく、具体的な行動は決めにくいのですが、決めるサインのようなものがあります。それは、私たちの周りにいる人の会話を聞く、です。どういうことかというと、私たちに話しかけてくる2割くらいの人は、私たちに似たような何かを感じ、話しかけてくるという習性があるというもの。ということは、私たちに日常で話しかけてくる内容の2割くらいが自分の理想と違っていたら、習慣化はまだできておらず、思考も変わり切っていないという事になります。
どんな話され方されてる?
「ちょっと聞いてよ、○○がさー、○○でさー、ほんと嫌になるよね」とあなたが話しかけられたら、2割くらいの確立で私たちも同じように人の批判、あるいは愚痴めいたことをいっており、理想の達成は出来ていないということになります。
自分のことはなかなか分かりにくいもの。周りを自分の思考習慣のサインとして使うと、「あ、また愚痴っぽい話を聞かされている・・・。ということは私も知らない間に誰かに愚痴を言っている可能性があるな」と考えるようにすると、自己啓発系の習慣のゴールとすることができます。もちろんこれが完璧に機能する訳ではありません。大切なことは無意識を意識下におく作業の手段として「知っておく」ということです。さらに、6月2日に本当の優越感とは、というような内容をブログで書いたのですが、それの補足です。私たち自身が周りを見下すような言葉や態度をとるということは私たち自身もまた見下されているということを覚えておきましょう。私たちの周りは私たち自身のことを表す鏡のような役割をしています。心理学的には、投影という言葉で表現されています。
私たちは他人に投影している
どういうことかというと、私たち自身の資質や願望(例えば、公正・誠実でありたいのにそれが出来ず、感情的になってしまう自分)を認めたくないときに、私たち自身のメンタルを守るため、自分が出来ていないと認める代わりに、他の人にその悪い面(公正・誠実ではなく感情的であるということ)を押し付けてしまうような心の働きとして表現されています。
すなわち、人を否定するということは、少なからず、私たちが出来ていない部分があり、その出来ていない部分を認めたくないという心理が働いているものです。
まとめると、私たちの友人の中に反面教師がいる間は、理想の思考習慣はまだ現実ではないということです。
6月2日の記事